白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 そんな私の部屋に、ノックの音が響いた。
 ああ、ミーアに頼んでおいた案件かしら。

「どうぞ?」

 予想通り、部屋に入ってきたのはミーアだった。
 しかしいつもの元気さはなく、やや疲れたような顔をしている。

 ここ数日、私が屋敷の掃除などに入れなかったから、負担が大きかったかしら。
 なんだか、顔色も蒼白で悪そうだし。
 
「遅い時間にすみません、アンリエッタ様。頼まれていた件のご報告がありまして参りました」
「いや、それはいいんだけどミーア、顔色がずいぶん悪そうだけど大丈夫? もしかして無理させちゃったかしら」
「無理……はしていないつもりなのですが」

 そう言ったミーアの顔がやや曇る。
 いつもみたいなハッキリとした物言いでないことも、なんだか引っかかる。

「何かあったの?」
「ああいえ、大したことはないんですよ」
「でも本当に顔色が悪いわ。熱でもあるんじゃない?」

 私はミーアに近づくと、彼女のおでこに手を当てた。
 すごく高熱って感じではないけど、なんとなく熱い気がする。

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