白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「薬と言えば分かるかしら」
「!」

 その言葉に、中にいた男たちが殺気立つ。

「おい!」

 殺気に気付いたヒューズが大きな声を上げた。
 一瞬、その殺気で息が止まるほどだ。

 やはり、ミーアのバラ病が早かったから、きっとそうじゃないかって踏んでいたのだ。
 どうやら私の読みは当たっていたらしい。

「何をどこまで知っている?」

 ヒューズの声はどこまでも低い。
 今までの人懐っこい顔も、声も何もかもがただの演技だったと分かるほど。

「安心して。知っているのは私だけ。そして今流行りつつある病気の名と、その治療法だけよ」
「どこで知った」
「うちの侍女もかかっているの。だからまず先に、きっと貧民街から広がったと仮定しただけよ」

 あくまでも、私の口から言うのはそれだけ。
 本当は知っている。
 彼らの長であるギルド長がその病にかかっていることも、このあと命を落とすことも。

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