白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 だけどそれを口にしてしまえば、私だってただでは済まないから。

「アレはなんだ?」
「バラ病というの。隣国で昔からある病の一つらしいわ。初めに微熱。その後、少しずつバラのような痣が全身に広がっていく。そしてそのうちその痣は痛みと熱を持ち動けなくなり、最後は死に至るの」
「死ぬのか!」
「ええそうよ。治療しなければね」

 かつてこの闇ギルトの長は初期に感染して死んだ者の一人だ。
 父がよく言っていた。
 
 元々ここの長と繋がりがあった父は、裏でも幅を利かせてきた。
 だけど長が死んで混乱が起こり、自分も出入りしづらくなってしまったって。

 別に私は裏と繋がりたいわけではない。
 ただ恩を売って、父との対立に備えたいだけ。

 どうせ知らない人間より、知った人間の方がまだ安全だから。
 父を排除したあとに、ここの人たちに難癖付けられたら困るのよ。

「だから薬となるものを持ってきたのよ」

 私はそう言いがら袋に入った実を取り出し、ヒューズに見せた。
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