白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 彼はやや訝しそうな顔で、実をジッと見る。

「感染が進んで、痛みが出た者にはこれをすり潰したものをスプーンの半分くらいずつ毎日飲ませてあげて。まだ痣が出ただけの軽い者たちにはこれを煮出したお茶を配れば大丈夫よ」
「あんた、どうしてそこまでここに肩入れする?」
「もちろん下心があるからに決まっているでしょう」

 きっぱりと言い切れば、ヒューズはゲラゲラと声を上げて笑い出した。
 でもなんだかその姿に、私はホッと胸を撫でおろす。

「んで、望みは?」
「もうすぐ泥船を漕ぐ一番のヤツを引き下ろすの。その時、もしこちらに危害が及びそうだったら手を貸して欲しいだけよ」

 私はあえてそれが誰かとは告げずに、自分の髪を掴み揺らして見せた。
 
< 250 / 311 >

この作品をシェア

pagetop