白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

66 願う幸せは誰のため

「何を言っているんだ、アンリエッタ」
「そうよ! 出て行くのはあなたでしょう」
「なぜです?」

 私は、私の言ったことを全く理解できていない人たちにただ尋ねた。
 どこまでも冷静で、顔色一つ変えない私に、二人の表情が焦り出す。

 キョロキョロと落ち着きなく辺りを見渡し、私が何を言わんとしているのか読み解こうとしているようだった。
 
 どこまでも優しい私は、そのヒントを彼らに提示する。

「結婚なさる時の契約書、よくお読みになりましたか?」
「……それは、どういう……」

 余裕たっぷりな私に、何か気づいたようなダミアンは思うところがあったのか自室に駆け出す。
 そして契約書(それ)を取ってくると、息を切らしながらここへ戻ってきた。

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