白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 私が前回と同じ従順な妻だと思ったら、大間違いなのよ、残念ね。

「明日から掃除などを始めますので、今日はもう休ませていただいてもよろしいでしょうか?」
「まぁ、嫁のくせに主人より先に休むというの!」
「まぁまぁまぁまぁ。僕も母上も疲れでしょう? 今日はこのままゆっくりしよう」

「あなたがそういうならいいけども。でも、こんな嫁を甘やかしてはダメよ、ダミアン。最初が何でも肝心なのですからね」
「分かってますよ」

 にこりと笑う夫。
 でもこの笑顔すら、私や義母を気遣ってのものではない。

 とっとと愛人の元へ行って、機嫌でも取りたいのでしょう。

 見え見えよ。
 むしろなんで一回目は、こんな簡単なものも見抜けなかったのかしら。

「アンリエッタ君の部屋は……」
「二階の奥か何かですか?」
「あ、ああ。そうだよ。よく分かったね」
「いえ、ありがとうございます。では、お先に失礼いたします」

 貴族風にならって丁寧なお辞儀をしたあと、私は二人をその場に置き去りにして部屋へと向かった。

 何で部屋を知っているのか彼は疑問そうな顔をしていたが、私にはそれすらどうでもよかったから。
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