白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「灰色ネズミ……、でもなんでこんなところにいるの?」

 灰色ネズミは下水などの地下に潜むモンスターの一種だ。

 基本的には、こんな風に地上に上がることはなく、地下に迷い込んだ人や他のモンスターたちを襲う習性がある。

 それなのに、なんでこんな日中の広場になんて?
 地下で何かが起きているってことかしら?

 そんな風に眺めていると、襲い掛かるネズミたちと騎士団の戦闘が始まっていた。
 ただ普段地下にしか現れず、相手にしたことのないモンスターに騎士たちは苦戦しだす。

 ネズミたちは連携を取りながら、素早くその剣をかわした。
 しかしそれでも自分たちの身に危険が迫ったと分かると、ネズミたちは一か所に集まり上を向く。

 ああ、いけない。

「耳をふさいで!」
『きゅゅゅゅゅゅゅ!』

 私のかけ声と、ネズミたちの威嚇(いかく)の声はほぼ同時だった。

 耳をふさげなかった者たちは、あまりの甲高い声に動けなくなっている。

 これがあいつらの戦い方なのよね。
 あの声を聞いてしまうと、一定時間耳がやられてマトモに動けなくなってしまう。
 知らない人では、中々対応が難しいのが特徴だ。

 しかも普段下水に潜んでいるせいで、騎士といっても相手にしたことがある人間などほぼいないだろう。

< 67 / 236 >

この作品をシェア

pagetop