白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 銀色の髪に薄紫の瞳。
 この帝都では、この組み合わせの髪と瞳を持つ人間は、うちの直系以外いない。

 ある意味悪名高いダントレット商会。この髪や瞳を知らない人の方が少ないと思う。

「私はアンリエッタ・ダントレット。もっとも、先月結婚してアンリエッタ・ウィドールと申します、騎士様」
「君があのダントレット商会の娘……、そうか君がか」

 どこか含みがあるような言い方。
 嫌味ではなさそうだけど、良い意味とは思えない。

「ええ、そうですね」

 騎士はただ驚いたように、ジッと私を見ていた。
 私だって自分に向けられる人の評価なんか、ずっと前から知っている。

 だってあの人の娘だもの。

 いくら私があの人とは違うって言ったところで、そんなの信じてくれるのは使用人くらいだけ。
 
 所詮、一括りにされる存在でしかないのだから。
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