白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「まだ何か? だいたい、いきなり触るなど失礼ではないですか?」
「ああ、いや、すまない。君の機嫌を悪くさせたいわけではない。ただ先ほどのあの玉のことを聞かせてくれ」

 なんで私がそんなことまで教えなきゃいけなんだろう。
 だけど下手に危険物の所持とがで詰め所に連れていかれても困るし。

 ため息を吐いたあと、腰ポーチにあったもう一つの球を取り出した。
 小さな花火にも似た茶色い薬玉だ。
 
 本当はさっき投げた奴も入れて、二個を道具屋で売って、小銭を稼ごうと思っていたのに。

 一個はこんなことで消費しちゃったし。
 なんて日なのかしらね。ついてない日は、本当にとことんダメね。

「これは本来地下などで使う対ネズミ用の専用の薬玉です。先ほど見ていただいたので分かると思いますが、地面に投げつけると大きな音と光が出たあと、灰色ネズミが嫌いな匂いが煙となって出てきます」
「どこでそんなものを手に入れた?」
「どこでって、これはうちのオリジナル商品ですわ」
「オリジナルって、君は……」

 私は説明するのも面倒くさくなり、深くかぶっていたフードを取った。

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