白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「悪名高いダントレットの言うことなど、誰が信じるんだ」
「まぁ、そうでしょうね」

 やや若い騎士は私を睨みつけていた。
 気持ちは分かるわよ、私だってね。
 でもそういう問題でもないでしょうに。

「ですが、その悪名高いダントレットの娘になど助けられたという事実はどうするんです? 末代までの恥にでもしときます?」
「なんだと!」

 もはや売り言葉に買い言葉だな。
 恨みを買うのはいいけど、それは私個人へのものではないでしょう。

 ダントレットに助けられたのがよほどこの騎士様は嫌なのだろう。
 だけどイライラしているのはこっちも同じなのよ。

「辞めないか、ニカ。言葉が過ぎるぞ」
「……すみません、団長」
「部下が気を悪くさせてすまない。助けてもらったことには感謝している。あとで使用した道具の料金もこちらで払おう」
「……いえ」

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