白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「大丈夫ですか、アンリエッタ様。あの外出の際、何があったんです?」
「特にそこまでのことはなかったんだけど……」

 私はミーアから二通の手紙を受け取った。
 一通は、やはり父から。

 私がお願いしたことへの返事と、一度商会に顔を出せと書かれている。

「すぐ来いってさ」
「えええ。何があったんです」
「さぁ? だけど帝都の地下清掃の仕事から、少し前に外されたらしいのよね」
「あー、その話なら別の使用人にも聞きました」

 ミーアの話は、あの騎士団長が言っていたものとほぼ同じだった。
 元々単価の高いうちを、城のお偉いさんが却下したらしい。

 父は激怒して、二度とやってやるもんか~なんて言っていたようだか、あの清掃は単価もよく儲かっていたため大変だったらしい。

 どうやらうちの商会の後釜(あとがま)に、そのお偉いさんの系列店が清掃に入ったようだけど、父は地下の情報を何一つ渡さなかった。

 もちろん結果は、あの灰色ネズミが出たことを考えれば一目瞭然(いちもくりょうぜん)
 上手く清掃などできなかったのだろう。

 ただこの呼び出しはそれではなく、私が勝手に再契約の話をまとめてきたことに対するお小言だろう。

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