破滅エンドしかないモブの娘に転生してしまったけど、父があまりにも優男だったので案外悪くはない。
「いや、意味不明すぎるんですが。どうして自分が訳も分からないまま、お嬢様に協力しなければならないんですか」
「えー。そんなのもちろん、パパのためよ」

 自分でも卑怯なのは分かっているけど、これだとオーウェンは断れないよね。

 でも嘘ではないから、そこだけは分かって欲しい。
 このままだと、破滅エンドまっしぐらなのよ。

「そんなことを言って、何をなさるおつもりなんですか?」

 ジト目で私を見る彼は、明らかに嫌そうだ。
 まぁ、ね。いきなり六歳児が変なことを言い出したら、そうなるでしょうね。

「そんな顔しないで。とりあえす、私の言い出したことを試してやるくらいの気持ちで協力してくれればいいのよ」
「はぁ」
「まぁ、いいわ。とにかく今は、急ぎでお金を獲得しないとね」
「言うのは簡単ですが、そんなこと出来ればとっくにやっていますよ」

 どこまでも投げやりなオーウェン。
 それもそのはず、いつもパパと共に金策に走ったり仕事を引き受けたりするのは、彼だものね。

 でも私は違う。
 そんな回りくどいことをする気はない。

「オーウェン、うちでお金を借りている人たちの借用書持ってきて」
「は? おっしゃっている意味、理解してますか? そんなものお嬢様が何につかうんですか」
「ごちゃごちゃ言わなくていいから、適当に数枚持ってきてって。それから説明するから」

 頑なに意見を変えない私にオーウェンはまたため息をつくと、パパの机の引き出しの鍵を開け、数枚の書類を私の目の前に差し出した。
< 12 / 13 >

この作品をシェア

pagetop