船々恋々

私が、無意識でキツネを殺した?
サイキョウの方法で?
まだ何もしてませんけど。
動物を殺したりするのも、ちょっと。
残酷なのは、私も嫌いなのですが?

不思議そうにしている私に、深元さんは真剣な表情を向ける。
「前に言った事、覚えてるかな?」
前に言った事。
「私はキツネじゃない。」って言ってましたよね。
「あはは。森脇さんからも言われたんだよね、騙される人間だって。まぁ……それもあまり良くはないけどね。計算せず、用心深くあるようにと私は言ったけれど、無理な話よ。あのタヌキを騙そうとする女狐が相手だったのだから。」

『あなたは計算しない方がいいわね。そうじゃなきゃ、何かあった時に私はあなたを助けてあげられない』

計算できるような状況把握も無理でした。
ん?女狐って誰の事だろうか。
今更の疑問。
あの森脇さんを騙したって事?

「Sペイントの大石さん、あなたを罠にかけようとして森脇さんに吹き込んだみたいね。」
それで森脇さんが知っていたんだ。
あぁ、雰囲気が違うと思ったのは怒りを隠していたから。
そんなことも分からず、私は間の抜けたことを平然と。

本当にSペイントの人が怖い。
何故、そんな人を陥れるような事をするのか。

「それが会社の指示だったのか、彼女の独断だったのかなんて関係ない。結果も考えず、卑怯なことするから自業自得よ。」
私は、自分の言動の結果を知らなければならない。
「深元さん、これから何があるんですか?」
「Sシップとの請負を削減して、私たち協力会社に仕事を分散させるの。信頼を失えば仕事を失う。当然の結果ね。」

どうしよう。
今まで、こんな考えなかったのに。

ざまあみろ。
木之下さんやトキくんの痛みを少しでも分かればいいんだ!と。


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