吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
その時の母は、きっと今の自分と同じ気持ちだったのかもしれない。愛する人と共に生きたいと願う私と。
「恥ずかしい話、アタシは今までそんなこと思ったことも願ったこともない人生を送ってきたからね。
なぜだって美郷を問い詰めた。そしたら言うんだよ、一生を添い遂げたい相手がいるから、人間になりたい。その方法を教えて貰える場所を見つけたって」
「場所」と呟き、ハッとした。無意識に下げていた視線を、また祖母に据えた。
「美郷が言うには、奥多摩の山岳地帯に人里離れた集落があるらしい。
その地の名称を女人の谷といって……アタシたち、女吸血鬼発祥の地だと言った」
「女人の、谷?」
「……ああ。言ってみればご先祖様の暮らす土地で。美郷から聞くまではそんな所があるなんて、思いもしなかった。
美郷はそこへ行って、人間になる方法を詳しく教えて貰ったらまた戻ると言った。……深緋をアタシに預けて、また家を出て行った」
そこまでを言い終えると、祖母は口を噤み、紅茶のカップを持ち上げた。
既に湯気の消えたそれを飲み干し、空になったカップの底をしんみりと見つめている。
「恥ずかしい話、アタシは今までそんなこと思ったことも願ったこともない人生を送ってきたからね。
なぜだって美郷を問い詰めた。そしたら言うんだよ、一生を添い遂げたい相手がいるから、人間になりたい。その方法を教えて貰える場所を見つけたって」
「場所」と呟き、ハッとした。無意識に下げていた視線を、また祖母に据えた。
「美郷が言うには、奥多摩の山岳地帯に人里離れた集落があるらしい。
その地の名称を女人の谷といって……アタシたち、女吸血鬼発祥の地だと言った」
「女人の、谷?」
「……ああ。言ってみればご先祖様の暮らす土地で。美郷から聞くまではそんな所があるなんて、思いもしなかった。
美郷はそこへ行って、人間になる方法を詳しく教えて貰ったらまた戻ると言った。……深緋をアタシに預けて、また家を出て行った」
そこまでを言い終えると、祖母は口を噤み、紅茶のカップを持ち上げた。
既に湯気の消えたそれを飲み干し、空になったカップの底をしんみりと見つめている。