吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
スグルくんを失った悲しみと、祖母を失うかもしれない悲しみ。深緋はこの先の喪失感を思い、ギュッと胸を押さえた。身を切られるように痛かった。
病院から帰宅し、キッチンで熱い紅茶を淹れた。スグルくんほど上手では無いけれど、祖母はカップの淵に口を付け「美味しい」と呟いた。疲れた表情でほうと息をついている。
病院からずっと付き添ってくれた白翔にはアイスコーヒーを淹れた。
「俺の血を飲んで下さい」
祖母の前に両膝をついて座り、やにわに白翔が言った。祖母は穏やかに微笑み、「ありがたいけど、無理だよ」とその申し出を断った。
「体が受け付けないこと、深緋から聞いてるだろ?」
「それでも毎日試したら、もしかしたらってことも」
「ありがとね、ハクト。あんたのその気持ちだけで充分だよ」
祖母の言葉を聞き、白翔はそれ以上何も言えずに口を噤んだ。肩を落とした彼に深緋が寄り添う。
祖母が「さてと」と軽やかに言い、ソファーから立ち上がる。空になったカップをシンクに下げ、話を続けた。
「今から深緋にこの家のことを教えるから、ちゃんと覚えておくんだよ?」
「……え?」
深緋は俯いていた顔を上げた。
「まず。酒屋のテツさんとこは、このあと解約しておくから、支払いの心配は要らない。あとね。この家は借家だけど、あんたが無事に人間になれるんなら、もっと賃料の安い物件に引越すといい」
病院から帰宅し、キッチンで熱い紅茶を淹れた。スグルくんほど上手では無いけれど、祖母はカップの淵に口を付け「美味しい」と呟いた。疲れた表情でほうと息をついている。
病院からずっと付き添ってくれた白翔にはアイスコーヒーを淹れた。
「俺の血を飲んで下さい」
祖母の前に両膝をついて座り、やにわに白翔が言った。祖母は穏やかに微笑み、「ありがたいけど、無理だよ」とその申し出を断った。
「体が受け付けないこと、深緋から聞いてるだろ?」
「それでも毎日試したら、もしかしたらってことも」
「ありがとね、ハクト。あんたのその気持ちだけで充分だよ」
祖母の言葉を聞き、白翔はそれ以上何も言えずに口を噤んだ。肩を落とした彼に深緋が寄り添う。
祖母が「さてと」と軽やかに言い、ソファーから立ち上がる。空になったカップをシンクに下げ、話を続けた。
「今から深緋にこの家のことを教えるから、ちゃんと覚えておくんだよ?」
「……え?」
深緋は俯いていた顔を上げた。
「まず。酒屋のテツさんとこは、このあと解約しておくから、支払いの心配は要らない。あとね。この家は借家だけど、あんたが無事に人間になれるんなら、もっと賃料の安い物件に引越すといい」