吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
 若干、興奮気味に尋ねられ、フッと笑みが浮かんだ。自分からの連絡をずっと待っていてくれたのかなと思うと、嬉しくなる。

「うん。一応は収穫あり。リリーさんには輸血って方法で血を摂取してもらう。あと、儀式には白翔も同伴できるようにお願いしておいたから、次は大丈夫だよ」
『そっか……。ありがとう。あと、お疲れさま』

 うん、と頷き、顔が綻んだ。そして、今月の二十九日は満月だけど、儀式自体は午前零時を過ぎた時点で行うので、下山は翌日の三十日となり、谷で一泊しなければいけないと伝えた。

『それはまぁ、仕方ないだろうな。俺はいいよ、深緋と一緒にいたいし。ここが俺たちの正念場だと思うから』
「……そうだね」

 実際、織田から血を貰うという約束も曖昧だし。リリーさんを助けることが出来たら、またあいつに会いに行かなきゃいけない。そのためには急がないと。時間が足りない。

 白翔との電話を切り、急いで帰路を辿ることにした。電車のなかで何度かスマホを確認する。しかし、祖母に送った二通目には未だ既読が付かず、やきもきしながら家へ向かった。

 自宅の前まで辿り着くと、白翔が帰りを待っていてくれて急いで玄関の鍵を開ける。すぐさま重い鞄を下ろした。

「ただいまー、リリーさん、いるー?」

 一階にある洋室をノックしてから開け、続いてリビングへ立ち入る。部屋はがらんとしていて、人の気配がしない。
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