吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
「リリーさん、出掛けてるのか?」
「ううん、わかんない。一度、電話してみる」
どこにいるんだろう、すぐにでも病院に行くかどうかを確かめたいのに。
時刻は午後四時過ぎ。祖母の吸血時間はだいたいいつも午後三時半ぐらいなので、既に三十代に変わっているはずだ。
プ・プ・プ、と電話の識別音が鳴り止んで直ぐ、家の中から着信音が聞こえた。耳に当てていたスマホを放し、白翔と目を合わせる。着信音は祖母の部屋から鳴り響いていた。
なんで? さっき見たときはだれも居なかったのに……。
電話を鳴らしたまま、「リリーさん?」と声を掛け、扉を開ける。室内の様子はさっきと変わらない。ベッドに畳んで置かれた布団の形も、中途半端に開いたクローゼットの扉もそのままだ。
やっぱり、いない。スマホを忘れて出掛けたの?
尚も鳴り続ける着信音を頼りに、深緋は祖母のスマホを見つけ出した。洋服箪笥の引き出しに入っていた。なんでこんなところに、と首を捻った。
今深緋が開けているのは、昨日祖母の説明にあった引き出しだ。その言葉通り、数冊の通帳がきちんと整頓されて入っていた。
電話を切る深緋の後ろで、白翔が怪訝そうに眉をひそめた。
「深緋、スマホの下になんか入ってる。ピンクの封筒の」
「え」
深緋は緩慢な動作でそれを手にして、宛名を確認した。中央に【深緋へ】と祖母の直筆で書かれている。
「ううん、わかんない。一度、電話してみる」
どこにいるんだろう、すぐにでも病院に行くかどうかを確かめたいのに。
時刻は午後四時過ぎ。祖母の吸血時間はだいたいいつも午後三時半ぐらいなので、既に三十代に変わっているはずだ。
プ・プ・プ、と電話の識別音が鳴り止んで直ぐ、家の中から着信音が聞こえた。耳に当てていたスマホを放し、白翔と目を合わせる。着信音は祖母の部屋から鳴り響いていた。
なんで? さっき見たときはだれも居なかったのに……。
電話を鳴らしたまま、「リリーさん?」と声を掛け、扉を開ける。室内の様子はさっきと変わらない。ベッドに畳んで置かれた布団の形も、中途半端に開いたクローゼットの扉もそのままだ。
やっぱり、いない。スマホを忘れて出掛けたの?
尚も鳴り続ける着信音を頼りに、深緋は祖母のスマホを見つけ出した。洋服箪笥の引き出しに入っていた。なんでこんなところに、と首を捻った。
今深緋が開けているのは、昨日祖母の説明にあった引き出しだ。その言葉通り、数冊の通帳がきちんと整頓されて入っていた。
電話を切る深緋の後ろで、白翔が怪訝そうに眉をひそめた。
「深緋、スマホの下になんか入ってる。ピンクの封筒の」
「え」
深緋は緩慢な動作でそれを手にして、宛名を確認した。中央に【深緋へ】と祖母の直筆で書かれている。