吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
吸血する前まではズキズキと痛んだ背中も、もうどうってことない。男からたんまりと血を頂いたことで、壊れた組織細胞が修復されたはずだ。もはや擦り傷程度で血も止まっている。
倒れた男を見下ろし、深緋は彼のジャケットの内ポケットを探った。思った通り、手は財布を掴んだ。
単なる好奇心が湧いたからに他ならないが、男の素性が気になった。財布の中から身分証明書を引っ張り出し、目を細める。
織田 将吾。やっぱり偽名だったか。木下 ミツルという仮の名前を脳から削除して、織田の名を新たに記憶した。
吸血したせいで、男からは前後の記憶が抜け落ちたけれど、私だけは覚えておこう、と思う。織田 将吾。私を初めて刺した男だ。
織田の財布を元通りに仕舞ったところで、ジャリ、と靴音が聞こえた。
突然のことにハッとなり、慌てて背後に目を走らせる。
「………み、深緋、だよな……?」
暗がりの中で佇む彼は、今し方信じられないものを見たかのように、その瞳に恐怖を滲ませていた。
「こんなところで……一体、何を?」
狼狽する白翔をジッと見据え、深緋は重いため息を落とした。
***
倒れた男を見下ろし、深緋は彼のジャケットの内ポケットを探った。思った通り、手は財布を掴んだ。
単なる好奇心が湧いたからに他ならないが、男の素性が気になった。財布の中から身分証明書を引っ張り出し、目を細める。
織田 将吾。やっぱり偽名だったか。木下 ミツルという仮の名前を脳から削除して、織田の名を新たに記憶した。
吸血したせいで、男からは前後の記憶が抜け落ちたけれど、私だけは覚えておこう、と思う。織田 将吾。私を初めて刺した男だ。
織田の財布を元通りに仕舞ったところで、ジャリ、と靴音が聞こえた。
突然のことにハッとなり、慌てて背後に目を走らせる。
「………み、深緋、だよな……?」
暗がりの中で佇む彼は、今し方信じられないものを見たかのように、その瞳に恐怖を滲ませていた。
「こんなところで……一体、何を?」
狼狽する白翔をジッと見据え、深緋は重いため息を落とした。
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