吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
「いや。俺、あのとき初めて深緋のこと、ちゃんと見た気がしたから」
言いながら床に置いたボールを片手で掴み、白翔が神妙な面持ちになる。数秒、彼を見つめて自然と首が傾いた。彼の言わんとすることが、まるでわからない。
「深緋、去年の秋に転校してきただろ?
俺、隣りのクラスだったんだけどさ。けっこう頻繁に深緋の名前聞いてたから、どんな奴かなって興味がわいて。……でも、初めて見たときは冷たい印象しか受けなかったから、あのとき猫を助けるのに協力してくれたの見て、すげーいい奴だなって思ったんだ」
「……へぇ」
「家も近所だし。なんか仲良くなりたいなって。思った」
「それ、どういうリアクションしたらいいの?」
「さっきも言ったけど。おまえが思ってるより、みんなおまえを見てるって話だよ」
「……は?」
彼の意図するところが、やはりわからなくて、深緋は間抜けな表情をするばかりだ。
「は? ってなんだよ」と白翔が口を尖らせる。「この際だから言うけどな」と続け、短く息をついた。
「おまえ、実はスマホ持ってるだろ?」
「……え」
「もう大分前にこっそり触ってるの見たことあるんだよ」
少しの狼狽から、視線が床に張り付いた。天井の、白いライトが反射して、ところどころが光っている。
「だったら、なに?」強がりから出た声が、震えそうになった。「いや」と返事をし、白翔が何でもない風に言った。
言いながら床に置いたボールを片手で掴み、白翔が神妙な面持ちになる。数秒、彼を見つめて自然と首が傾いた。彼の言わんとすることが、まるでわからない。
「深緋、去年の秋に転校してきただろ?
俺、隣りのクラスだったんだけどさ。けっこう頻繁に深緋の名前聞いてたから、どんな奴かなって興味がわいて。……でも、初めて見たときは冷たい印象しか受けなかったから、あのとき猫を助けるのに協力してくれたの見て、すげーいい奴だなって思ったんだ」
「……へぇ」
「家も近所だし。なんか仲良くなりたいなって。思った」
「それ、どういうリアクションしたらいいの?」
「さっきも言ったけど。おまえが思ってるより、みんなおまえを見てるって話だよ」
「……は?」
彼の意図するところが、やはりわからなくて、深緋は間抜けな表情をするばかりだ。
「は? ってなんだよ」と白翔が口を尖らせる。「この際だから言うけどな」と続け、短く息をついた。
「おまえ、実はスマホ持ってるだろ?」
「……え」
「もう大分前にこっそり触ってるの見たことあるんだよ」
少しの狼狽から、視線が床に張り付いた。天井の、白いライトが反射して、ところどころが光っている。
「だったら、なに?」強がりから出た声が、震えそうになった。「いや」と返事をし、白翔が何でもない風に言った。