吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
「そういえば深緋のねーちゃんの彼氏っていつも来てんの?」

 ねーちゃんの彼氏、イコール、スグルくんのことだ。

「来てるって……。スグルくんは家政夫さんだよ?」

 は? と言いたげに白翔は目を丸くする。

 日傘を差しながら、最寄駅に着くまでいつも通りの距離をあけて話しているせいか、昨日のことを胸の内に仕舞い込み、深緋も平然としていられた。

「一緒に住んでんのかよ?」
「そうだよ。住み込みで家のことをいろいろやって貰ってるから」

 深緋としては何気なく言った台詞だが、白翔はムッとして、唇を引き結んだ。そしてどういうわけか、深緋の空いた方の手をいきなり繋いでくる。ビクッと肩が揺れた。

「おまえが言うなって言ったから告わないけど。これからは態度でガンガン示してくつもりだから」
「………えっ」

 まさかそれ、昨日の話?

 脈絡なく話題を変えられて、幾らか慌てる。

「嫌だって言っても、それだけはやめない。表現の自由だろ?」
「なにそれ」
「だから。友達以上、恋人未満ってことで、俺は深緋を諦めるつもりないから」

 真っ直ぐな瞳でそんなことを言われたら、もはや何も言い返せない。ドキドキと鼓動が早まり、頬の中心から熱が生まれる。

 今までずっと可愛い男の子として見ていたはずなのに、その接し方を完全に見失っていた。
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