吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
 白翔以外の男で、普通に飲める相手をまた探さなければ。無意識に視線が下がり、机上を見つめる。キュッと下唇を噛んだ。

 極上のひと口を知ってからというもの、吸血の時間を苦痛に感じていた。

 誰の血を飲んでも異臭が混ざり、美味しさを求めるにはほど遠い。だからせめて、普通に飲み込める相手だけでも見つけなければいけない。

 そしてもし見つかれば、その時はいっそのことペットにでもしようと考えていた。

 *

「深緋っ!」

 教室で数人のクラスメイトに手を振り、昇降口へ向かっていると、靴箱の前で白翔に肩を掴まれた。

「なによ、白翔部活でしょ? 早く行ったら?」

 言いながら彼の手をサッと払い除けた。

 殊のほか白翔を意識しているのは、自分でも分かっていた。だから余計に言動がキツくなってしまう。

「……そうだけど。その前に話あるんだって」

 靴箱の蓋を開けようとして、しばし動きが止まる。

 そう言えば。教室でも同じこと言ってたような……?

「なに? 今聞くから話して」

 チラッと白翔を見上げると、彼は嬉しそうに笑い、「あのさ」と話し始めた。
< 67 / 339 >

この作品をシェア

pagetop