吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
 “私が吸血鬼で、あなたの血をもらっているから。そのせいで気絶するんだよ”
 “彼氏だけど、それは吸血相手(ペット)という意味も含むんだよ”

 自分の正体を明かした上で、吸血や採血を許してもらえたら、どんなに楽だろう。勿論、白翔の意思を無視した自分本位な考え方なのは自覚している。

 けれど。今はまだ、どのタイミングで告げたら良いのかがわからない。

「……んっ、」

 揺り起こすつもりでいたけれど、意外と早く白翔が目を覚ました。

「っあ!」

 深緋はぎこちなく笑い、白翔の顔を覗き込む。途端に、白翔がギョッと目を見張り、その上体をのけ反らせた。

「えっ! 深緋?? え、何で俺、家に??」

 言いながらガバッと起き上がり、白翔は周りを見回して既に家の中にいるのだと判断した。

 白翔の記憶が玄関に入る前まで遡っている。彼が覚えている範囲では、まだ外を歩いていた途中なのだ。

 心許ない様子で目を泳がせ、困惑から首を捻った。予想通りだ。

 その反応を見て、心臓の奥深くを鋭利な刃物でえぐられるような、そんな痛みが走った。

「……白翔、ちょっと疲れてるんだよ」
「え」
「うちに来てからちょっと立ちくらみ、みたいなのがあって。スグルくんが支えて寝かせてくれたんだよ」
「そう……なんだ?」

 どこか附に落ちない様子で眉を寄せ、やはり首を傾げている。
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