恋愛Sim★comp

10分後。まだ来ない。メールの返事も無い。
【携帯の着信音】慌てて、ディスプレイを見る。
“使えない”が表示されている。
……。無視。
俺の担当嶋関さんだ。表示の通り、使えない。融通も利かない。
俺の味方でもない。役にも立たない。空気よめよ!
【カランカラン】
店のドアに付いた鐘の音色が勢いよく鳴り響いた。
比名琴……じゃない。嶋関だ!
「先生ぃ~~。」
嶋関の声や行動に、店中の視線を集め苛立ちが募る。
「あの、迷惑です!人違いですよ?」
大の大人が涙を浮かべ、床に座り込む。
うぜぇ!!
「酷いですようぉ~~。今日は、必ず電話に出てってあれほど……」
【カラン……】
「比名琴!今、会計する。別の店に行こうぜ!」
荷物を持って、足早に立ち去ろうとする俺の足が動かない。
ちっ!!嶋関が、俺の足にしがみついて離れない。
「離せ!俺が変態みたいじゃないか!ネタにするぞ!……じゃ、ない。比名琴、近寄るな。疫病神だ!」
「酷いですようぅ~~。担当、外されるかもしれないのにぃ~~。」
俺の動きが止まる。
「本当か?……なぁ~~んだ、早く言えよ!比名琴、お祝いしよう♪」
比名琴は、離れた場所で冷たい視線を送る。
何で??
「幾久、あなた……目立つ外見って知ってる?」
嶋関をしょうがなく、俺の隣に座らせ開口一番に比名琴の台詞。
「俺が?それとも、知識?」
俺の不思議そうな首を傾げる素振りに、比名琴はため息。
「て、20分経ってる。どうかしたのか?何かあった?比名琴、俺に言って。ん?」
比名琴は、顔を真っ赤に視線を逸らした。
「何か、幾久……台詞がくさい。」
へ?


< 21 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop