恋愛Sim★comp
店を出て、比名琴が嬉しそうに微笑んでいるのに気づく。
空を見ている?俺も見上げた。
「……あぁ。雪?」
俺は、手を差し伸べ比名琴の手を握る。
「へへっ。」
「ふっ。子供みたいに笑うのね」
微笑む君は、俺に寄り添う。俺の隣を歩く。
季節は、もうすぐ春だ。ホワイトデーは、週刊誌の取材から逃げ回っていて計画が台無し。
俺の送ったネックレスは……君の首元に光る。俺のだ……。
俺の邪な考えを読み取ったのか、いきなり歩調が狂う。
「……今、何を考えた?え……Hなこと考えたでしょ?何か、ぞわってした!!吐いて!すべて、正直に言って!怒らないから。」
眉間にシワを寄せて、睨んでいる君は怒っていないの??
「言葉は、減らした方がいいんでしょ?」
「……うっ。今回は、いいのよ。絶対……」
ニヤ……
「いいの?後悔するよ?……ふふ」
路地裏に入り込み、壁に押さえつける。
「何?」
「くすっ。覚悟はいい?」
比名琴の目に、涙が浮かんで後悔の見えたのが嬉しくて堪らない。
両手を押さえ、体を密着させて耳元に囁く。
「君に送ったネックレス。まるで、可愛いペットにつけた首輪みたいだ。想像するとゾクゾクする。俺のだって、思っていいか?」
まだ、言葉を言い足りないが……声を我慢して涙が零れているのに気づき少し後悔する。
「うぅ……。心臓が、ありえない音してる。」
ポロポロ落ちる涙を、舐め取ってみた。
うん……涙の味。愛しい……
「ね、その音……聴いてみたいな?この胸に耳を当てたら……聞こえるかな?」
「ばかぁ~~。変態!……もう、赦して~~。」
気丈な君が泣く。女の子だね。
「触れても、いいですか?」
「まだ……ダメ。」
そんなことを言いながら、君の目が閉じ気味になって……俺を誘う。
潤んだ唇が、俺に囁く。
『触れていいよ……』俺の欲望の声だ。
そっと重なる唇。
間を隔てるガラスは無い。今の幸せを確信するように、強く押し当てる。
俺を受け入れるように、沈む唇は甘く……危うく吸いつきたくなる。
我慢して優しく……
限界を超えると、君を汚すのかな?
「これ、セカンドキス?」
「だね?」
俺たちの触れる、心の通うキス。
甘く、幸せな……雪の降る中。寒さも音も感じない。
2人の世界に、時間が止まったように感じる。
あれほど願った……時が止まること。こんな一瞬が生み出すなんて。
俺は比名琴を抱きしめる。
俺の背中に回される比名琴の腕は細くも、母性を感じた。