恋愛Sim★comp
俺の台詞の途中、比名琴が真っ赤になって口を塞ぐ。
……。
「う……れしい……んだけど、その……恥ずかしい。」
可愛い……襲ってくださいって幻聴が聴こえる。ふふふ……。
「また!何?なな、何を考えたの??今、ゾワッてした。待って、いい!言わなくていい!!」
比名琴の慌てる様子に、愛しさが溢れる。
どうしようか?どうしたらいいかな?
ニヤニヤした俺に、目に入らなかったトラが抱きついてくる。
「ね、俺いるの忘れてない?独り身には、辛いんですけど?ねぇ?」
ウザイけど、周りが見えなかった俺には丁度よかったのかもしれない。
特別な境遇の二人が物珍しいのか、視線を感じる。
不思議だ。うん、共学だからかな?女の子の視線や反応がリアルだ。
ノートを無意識に広げメモを取った。
校長直々に会って、話をした。
クラスは、比名琴と同じ教室。普通科だが、比べるとレベルやスピードが異なる。
復習になる形。特別の課題レポートは、本来の授業が詳しくまとめられている。
わざわざ、俺たちのために作ったのが見える。
俺たちは、何様なんだろう?俺のわがままを、誰しもが願う。
それが叶うのなら……。
俺は、比名琴に迷惑だったかも……
お昼時間。
外野の視線を感じながら、パンダの気持ちで昼食を取る。
「そうね。今更だけど、迷惑なのは迷惑。嫉妬も、読み取って欲しいわ。……嬉しいけどね?」
最後の小さな声に、気分が高揚して顔が緩む。
トラは、携帯を俺に向け録画撮影。
「トラ、何をしてる?俺は、撮影対象じゃないぞ。しかも、お前は監督でもない。」
真面目な俺に、腹を抱え笑う。
「いや、食事なんか忘れるよ。幾久の、こんな人間らしさ……くくっ。あはははっはは!」
人間らしさ?俺は、あの学校で何をしてた?
俺の世界、比名琴の表現だと文字の世界かな?俺の世界に入り込むのは、トラだけだった。
先生は、小説のことを知って接触を持ってきた。それまで、俺の世界は現実ではなかった。
姉貴は、それを知っていたんだ。だから……相応しい世界に導いたのだと、比名琴が言った。