恋愛Sim★comp

『暇じゃないのか?もっと、我儘言っていい。どこかに行こう……』
君は、言葉の途中……遮るように言った。
『嫌よ。ここは快適で、落ち着くし……お金がかからない。さ、仕事に集中して!』
微笑む君の笑顔が、本物だった……はずだ。
トラに相談したら、あきれた顔をした。
十代田 彪(とよだ とら)は、俺と同じ高校だった。
比名琴の友達、鷹木 文一(たかぎ ふみと)ちゃんと、今も付き合っている。
トラは、付き合って二週間で……した、らしい。
何度も、その話を俺に聞かせようとしたが逃げた。興味が無いわけではない。
高校2年の沖縄旅行で、その展開も先に延ばした。
あの時に、しておけばよかった?
……いや、何と言うか……チャンスを逃したのかな??
この家で、二人になることが多かったのに……格好をつけた俺は、手を出さないよ……みたいな??
確かに、未来が繋がっていると思ったから……急がなくていいと思った。
もちろん、妄想は……その、激しくて……いや、誰に弁解をしてるんだ?俺……
少し、落ち着け。
【ふぅ~~】
息を深く吐いてみる。

比名琴が芸能界のデビューをしてから、会う機会も少なくなって……
この家も、出入りしなくなった。
映画のイメージもあったから……周りに、気を遣った。
比名琴……俺は、どうしたらいい?君は……
【携帯のコール音】編集長からだ。
「はい。……え?はぁ……お任せします。あの……いえ、では……」
嶋関の代わりの新担当の連絡だった。どうやら、女性のようだ。
少し気になるが、我儘を言ったのは俺だから……しょうがないよね。
比名琴……別れてしまったのに、言い訳をするのもなぁ~~。
はぁ……淋しい……


< 48 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop