恋愛Sim★comp

「怪しい!」
……。
突然の叫び声に、皆の時間が止まった。
「ぎゃ!?」
「し……嶋関さん??」
皆の輪に、いつの間にか入り……真剣な顔で興奮している。
「遅くなりました!この、嶋関……頑張りますよ!!」
「……文一……いつ、呼んだの?」
トラは複雑な顔で、文一ちゃんに尋ねた。
「呼んでないのだ。」
またも、嶋関の暴走。
「さて、比名琴ちゃんの相手は俺!幾久くんの相手は椎原さん。これを弁解できれば、すべて解決です!!」
中心で立ち、叫んでいるが……今、何と??
「ん?どうしました??皆さん……俺を見つめても、何も出ませんよぅ~~♪」
緊張感の無い笑顔の嶋関。
「嶋関ぃ~~!!比名琴の相手がお前って、どういうことだぁ?!」
叫ぶ俺の腕を、皆が押さえた。
襲い掛かる俺に、嶋関は笑顔のまま言う。
「この写真を見てください。」
そこには、泣いて鼻水を垂らした嶋関を慰める比名琴。
……。
「あぁ、これ……大学で捕まった日の夜??」
命が少し笑う。
……。
畜生、使えない!!
「……~~~~ぐっ!!……はぁ。で、比名琴は……どうしてる?どうなるんだ?」
言いたい事だらけだが、呑み込んだ。
嶋関のことより、今は比名琴が大事だ……
「明日、記者会見があります。そこに、一般人を侵入させる経路を確保したという情報もあるんだ。」
マトモな答えが、嶋関の口から出ていた。
「ん?どうしたのぉ~??編集長の情報だよ??」
……思っていた以上に、読めない人だと知る。
編集長もだが、嶋関……底知れない……
「映画の評判を守るのです!!」
「いや、守るのは比名琴だけど?」
嶋関は不思議そうな顔。
無視……。
比名琴の危機を助けられるのは、俺……だ。
「幾久、頑張れよ。」
「コトを助けて……」
全員がそれを望んでいた。
嶋関が比名琴のところに行ったのも、俺が別れると言ったから。
嶋関を担当から外し、椎原さんが担当になったのも……俺の我儘だ。
写真は、誰の意図にしても……比名琴を追い詰めたのは、俺だ。
「明日、記者会見の場に行く。比名琴を守る……助けるよ!!」


< 53 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop