恋愛Sim★comp

Sim★compを越えて


俺達の恋愛は、常に普通ではなかった。
比名琴……君の心は、俺にあるだろうか?

記者会見の数分前、比名琴が会場に姿を見せた。
編集長の情報の通り、一般……いや、悪意のある者が雇われたかのような罵声。
その間を押し退け、くぐり……記者の大勢見守る中に飛び出した。

「比名琴!俺と、結婚してくれ!!」

……。
あれ?俺、今……何を言いましたか??
会場は静まり返る。
比名琴は、立ち上がって涙を浮かべた。
返事は、頂けないのでしょうか……
周りのどよめきが、心音と重なり……目が回りそうだ。

「待ってください!荻原さんには、不倫の疑惑が!!」
一人の叫んだ記者に、二人が反応した。
「「えぇ??」」
「あいつ、結婚してたのか?」
「うそっ!!」
俺と比名琴の驚きに、会場がまた静かになる。
……。
「知らずに、付き合いを?それも、元恋人の知り合い??」
話がこじれそうだ。
最終手段の出番か……
「週刊誌に載った写真は、これだ!!」
嶋関の情けない写真を、大量にばら撒いた。
俺は、比名琴の近くまで進む。
「生頼 奥谷(きせ おくや)先生は新恋人が報道されてますが?」
一人の記者の質問に、比名琴の表情が怒りに変わる。
「そうよ!私と別れて、あんな……胸をさらしたような……H!すけべ!変態!!」
比名琴……きついよ。皆の前で……
「変態だとは思うけど、俺が想像するのは比名琴の胸だけだ!!」
……。

「え~、それでは?婚約の記者会見に変更です!!」
遠くで、司会の声がする。
俺の腕の中には、比名琴がいる。
「……幾久、返事をしてもいい?」
「はい。」
「あなたへの愛を誓ったあの日から、私の心はあなただけを愛した。他の人を見ることもなく……奪われた心を捨てられるのかと、不安に生きた。責任を取ってください!」
「はい。一生を、比名琴に捧げる。この心に君だけを抱いて……」
周りも気にせず、比名琴の唇の感覚を味わう。
甘い……幸せに、酔いしれ……

「ごほっん!!失礼、では……新婚旅行は、どちらに?」
「当然、思い出の地!」
「沖縄です!!」




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