恋愛Sim★comp
土曜日。
俺の学校は、午前中授業があった。
「よ♪金、持ってんだろ?何か、恵んでくれ。」
俺が無言で見るのは、一応?友達?の十代田 彪(とよだ とら)だ。
「……。」
何かを感じたようだが、ヘラッと笑う。
流石、進学校だ……変に頭がいいらしい。
「ね、失礼なこと……口に出てるよ?」
「あぁ、わざとだ。」
無言で見つめ「「へへへへ……」」笑う。
生徒の中では、トラだけが俺の仕事を知っている。
学校側は、当然知って協力的。
内容が純愛文学で、ヒットしているから?いつでも宣伝OKで待ち構えている。
俺は、公には出ないつもりだ。
近々、ドラマ化や映画化の話が出ている。そうなったら、覚悟して欲しいと言われた。
勘弁してくれ……。そうなったら、書くつもりはない。
どう考えても恥だ!
「ん?女の匂いがする。」
トラの嗅覚に、焦る。
「はぁ?何を言って……」
て!人の携帯を何、チェックしてんだ?!
いつの間に、俺の鞄から??油断も隙も無い!
トラの頭を叩いて、携帯を取り戻す。
「誰だ?そのヒナキちゃんは。紹介しろ!!」
「俺の彼女だ。」
嘘じゃない。本当でもないが……。
「当ててやろうか?金で買ったな?」
「汚い言い方をするな!」
「否定できるのか?」
ぐっ……否定は出来ない。金で、釣ったんだ。鴨を!
違う……
「うるさい。一年は、女の子がいるんだよ!羨ましいだろ?」
トラは、俺に冷たい視線。
くそう……さっきの仕返しか?根に持ちやがって!
俺は、小説のネタのためだと言い訳した。
「で、綺麗な子なんだろ?そのカモネギちゃんは?」
俺は、視線を逸らして「普通だよ?」
可愛く答えてみた。
「キモイ!」
当然の反応だ。
「好きになってるんじゃないのか?相手は、どうだ?好きになってくれそうか?」
それが分かれば、こんな擬似恋愛なんかしない。
けど、なんとなく……片想いの気持ちが分かるようになった。
どう思われてるのかな?俺のこと、どう見てる?
ドキドキする。
小説の世界が、俺に現実を教え現実の世界に色が付く。