あの動画を共有しないでください。ー実際にあった怖い話ー

莉子side

ある日の日曜日、私は兄の光と一緒に心霊スポットに行った。


幽霊が出ると有名な心霊スポットだったが、私たちに霊感がないからか、幽霊は見えなかった。


「なーんだ、何も出ねぇじゃん」


「何が心霊スポットなんだろうね」


私たちは、ここに幽霊が出るという噂は嘘だと思った。


「最後に写真撮ろーぜ!」


そう言ってお兄ちゃんがスマホを取り出した。


「本当に大丈夫?」


私は不安になって、お兄ちゃんの腕にしがみついた。


「大丈夫だって。幽霊なんて居ないんだからさ」


「そうだけど…」


実際に見えなかっただけで、写真の中に映り込んだりして。


そんな話、よく聞くもんね。


「はい、ちーず」


私はためらいながらも、お兄ちゃんと心霊スポットで写真を撮った。


いや、撮ってしまった…。


帰り道、私はさっき撮った写真を見ていた。


本当に幽霊が映り込んでいないか、確認するために。


「俺たち以外何もいないだろ?」


隣で運転するお兄ちゃんが笑いながら言った。


「そうだねー。何も映ってないや」


そう言ってスマホの画面を閉じようとしたときだった。


手がベタベタする。


私はスマホのライトで手を照らした。


そして、すぐにその正体が明らかになった。


「いやあああ!」


なんと、私の手には血が付いていたのだ。


一体どこから!?そう思いながらふと写真を見ると、写真の中のお兄ちゃんの顔が潰れて血が飛び散っていた。


そして、なぜかスマホの中から血が出ていたのだ。


「お兄ちゃん!これ!」


私は慌てて運転中のお兄ちゃんに声をかけた。


しかし、お兄ちゃんは何も言わない。


異変を感じた私は、恐る恐るお兄ちゃんの顔を見た。


すると…。


「いやー!お兄ちゃん!」


お兄ちゃんの顔はこちらを向いて潰れ、目が飛び出していたのだ。


不気味なお兄ちゃんの目と見つめ合う私。


そして不幸なことに、綺麗な一直線だった道に、急なカーブが出てきた。


もちろん私は運転なんてしたことがないしできない。


結局私はどうすることもできず、崖から落ちた。
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