妖精渉る夕星に〜真摯な愛を秘めた外科医は、再会した絵本作家を逃さない〜
北斗は花梨を見ながら、頭を下げて謝るようなそぶりを見せた。
「急にごめんね。及川先生がさ、本を読むならいい場所があるって言うから」
「本を読む場所……ですか?」
すると及川先生は幸せそうな笑顔を浮かべた。
「静かでいい場所でしょ? しかも本棚には部員たちが書いた作品もあるし、私のお気に入りの本も置いてあるので、全て読み放題ですよ」
「それは入部すればの話だよね。でも確かに本を読むにはいい場所かも。誰にも邪魔されずに済みそうだし」
そう言って、北斗は花梨に微笑みかけた。
「私も邪魔なんてしません! 部誌に載せる作品をただ書いているだけなので……。それに入部していただけたらそれだけで大感謝です。廃部の危機でしたから……」
すると北斗は花梨が書いていたノートを覗き込もうとしたので、慌ててノートを閉じて胸元でギュッと抱きしめた。
「見たらダメです! あのっ、恥ずかしいので……」
「ふーん。君、三年二組の山之内さんだよね」
花梨は驚いたように目を瞬いた。
「えっ、どうして名前を……」
「ずっと文芸部だよね。だとすると、この部室には君が書いた作品もあるんだろ? ってことは、そのノートを見なくても読み放題じゃないか」
花梨が顔を真っ赤に染めて俯くと、及川先生が北斗の肩を叩いて宥める。
「まぁまぁ、菱川くん。山之内さんは恥ずかしがり屋さんなんです。そこまでにしてあげてください」
及川先生に言われて、北斗は花梨を見つめた。下を向いたままじっとしている姿を見て、気まずそうに頭を掻いた。
「急にごめんね。及川先生がさ、本を読むならいい場所があるって言うから」
「本を読む場所……ですか?」
すると及川先生は幸せそうな笑顔を浮かべた。
「静かでいい場所でしょ? しかも本棚には部員たちが書いた作品もあるし、私のお気に入りの本も置いてあるので、全て読み放題ですよ」
「それは入部すればの話だよね。でも確かに本を読むにはいい場所かも。誰にも邪魔されずに済みそうだし」
そう言って、北斗は花梨に微笑みかけた。
「私も邪魔なんてしません! 部誌に載せる作品をただ書いているだけなので……。それに入部していただけたらそれだけで大感謝です。廃部の危機でしたから……」
すると北斗は花梨が書いていたノートを覗き込もうとしたので、慌ててノートを閉じて胸元でギュッと抱きしめた。
「見たらダメです! あのっ、恥ずかしいので……」
「ふーん。君、三年二組の山之内さんだよね」
花梨は驚いたように目を瞬いた。
「えっ、どうして名前を……」
「ずっと文芸部だよね。だとすると、この部室には君が書いた作品もあるんだろ? ってことは、そのノートを見なくても読み放題じゃないか」
花梨が顔を真っ赤に染めて俯くと、及川先生が北斗の肩を叩いて宥める。
「まぁまぁ、菱川くん。山之内さんは恥ずかしがり屋さんなんです。そこまでにしてあげてください」
及川先生に言われて、北斗は花梨を見つめた。下を向いたままじっとしている姿を見て、気まずそうに頭を掻いた。