妖精渉る夕星に〜真摯な愛を秘めた外科医は、再会した絵本作家を逃さない〜
「私……ずっとおかしいの……北斗くんがキスをしてくれなかった時、すごく残念だった。キスしてほしかったって思ったし、北斗くんに触れたくて仕方なかった……」
北斗の手が花梨の肩に載せられる。触れることを迷っているような、この先の熱情を抑えているかのような、そんな感情が指先から伝わるような気がした。
「いきなりこんなふうに思う私って、おかしいよね……欲求不満みたいで恥ずかしい」
「おかしくなんかないよ……それにそんなこと言われたら俺、これからどうなるかわからないよ……」
「だ、大丈夫。だって……私が北斗くんと一緒にいたいって思ったんだから」
しばらくの沈黙が流れてから、北斗は花梨の体をそっと抱きしめる。
「妖精……いなくなったかな」
突然の言葉に、花梨はクスッと笑った。
「……たぶんいないと思う」
「良かった。花梨との時間、妖精に邪魔されたくないから」
花梨が瞳を瞬いて顔を上げると、頬を真っ赤に染めて照れたように俯く北斗がいた。
「俺の部屋……行こうか」
こんなことをするのも、こんな気持ちになるのも初めてだった。心のどこかで悪いことをしているような怖さと不安を感じつつも、湧き起こる衝動を堪えることが出来ない自分がいるのも確かだった。
花梨が小さく頷くと、北斗ははやる気持ちを抑えるように、大通りに向かって早足で歩き始めた。
北斗の手が花梨の肩に載せられる。触れることを迷っているような、この先の熱情を抑えているかのような、そんな感情が指先から伝わるような気がした。
「いきなりこんなふうに思う私って、おかしいよね……欲求不満みたいで恥ずかしい」
「おかしくなんかないよ……それにそんなこと言われたら俺、これからどうなるかわからないよ……」
「だ、大丈夫。だって……私が北斗くんと一緒にいたいって思ったんだから」
しばらくの沈黙が流れてから、北斗は花梨の体をそっと抱きしめる。
「妖精……いなくなったかな」
突然の言葉に、花梨はクスッと笑った。
「……たぶんいないと思う」
「良かった。花梨との時間、妖精に邪魔されたくないから」
花梨が瞳を瞬いて顔を上げると、頬を真っ赤に染めて照れたように俯く北斗がいた。
「俺の部屋……行こうか」
こんなことをするのも、こんな気持ちになるのも初めてだった。心のどこかで悪いことをしているような怖さと不安を感じつつも、湧き起こる衝動を堪えることが出来ない自分がいるのも確かだった。
花梨が小さく頷くと、北斗ははやる気持ちを抑えるように、大通りに向かって早足で歩き始めた。