あなたの1番になりたい。
「っだいじょーぶ、大丈夫!オレ、男の子だから痛みには強いから!」
はい、と絆創膏を渡された。
友人Aの言葉に思わず、ふふ、と笑わずにはいられなかった。
「なんですか、それ」
笑みをこぼしながら絆創膏を受け取り、再び前屈みになって、膝に絆創膏を貼る。
「いやいや、本当だって。男の子はこういう怪我に慣れてるからね」
「さっき痛そうな声を出していたじゃないですか」
「聞こえてた?」
「聞こえてました」
即答すると、友人Aは声を上げて笑った。
「宮野ちゃんって結構容赦ないね」
「そうですか?」
「そうそう。もっと大人しい子かと思ってた」
貼り終えた絆創膏を軽く押さえながら顔を上げる。
「私は大人しくて真面目なんで…」
私の言葉を聞いた友人Aは、えっ?と素で目を丸くした。
「その反応は失礼じゃないですか?」
「いや、ごめん。宮野ちゃんってそういう冗談言うんだなって」
「冗談じゃなくて、事実です」
間髪入れずに返すと、友人Aは堪えきれないように吹き出した。
「ははっ、やばい」
「何がですか」
「なんか思ってたのと違う」
そう言いながら、友人Aは私を真っ直ぐに見る。
私はその視線を受け止めきれず、思わず目を逸らしたくなった。
「昨日見た時は、もっと近寄り難いと思ったんだけどな」
「それも事実です」
「でも実際は、そうでもないんだね」
「…そうですか?」
「うん、結構普通」
普通。
その言葉に少しだけ拍子抜けする。
美人だとか可愛いだとかではなく、普通。
けれど、不思議と嫌な気はしなかった。
「普通ですみません」
「いや、褒め言葉だよ?」
「…褒めてます?」
「褒めてる褒めてる」
軽い調子で頷く友人A。
なんだか調子が狂う人だ。
初めて喋るのに、妙に距離が近い。
けれど、不快ではない。
「…誰にでもそういう感じなんですか?」
思わず口をついて出た言葉に、友人Aが少しだけ笑った。
「そうかも」
「自覚はあるんですね」
「あるある」
悪びれもせず答える姿に、思わず小さく笑ってしまった。