御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
「それでは行ってらっしゃいませ」
扉を閉めてくれたスタッフに見送られ、私と黎也くんを載せたゴンドラがゆっくりと上昇する。向かい合って座る私たちは、それぞれ同じ方角の窓を覗いて、同じ景色を目に映す。
「最初に乗ったジェットコースター、あれですね」
「ホントだ。見てる分には綺麗なんだけどな~……」
「ちなみに、ジェットコースターでフラフラになった美冬さんを座らせたベンチはあそこです」
「そんなところまでよく覚えてるね」
園内には似たようなベンチがたくさんあるのに、ピンポイントで言い当てた彼に驚く。
感心しながらその場所をジッと見下ろしていると、ふと彼の視線を感じてどきりとする。
「……どうしたの?」
平静を装って、問いかける。黎也くんは一瞬視線を落としてなにか考えた後、スッと椅子から腰を上げて、こちら側に移動してきた。
ゴンドラがぐらりと大きく揺れる。
「わっ」
少しだけ怖くなって、肩をすくめる。隣に腰を下ろした黎也くんが、とっさに腕を伸ばして、私を胸の中に閉じ込めた。
「ごめんなさい。……美冬さんと話すのに、少し距離が遠いなと思って」
「は、話?」
聞き返すと、彼が少し体を離して、お互いの顔が見えるようにしてくれる。