御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
俺が御門ホテルの副社長で、父が社長であるという調べもついており、いっそ御門ホテルという会社に損害を与えたいとまで思うようになっていたようだ。
そこに、偶然通りかかったのが父だった。必要があれば土曜でも会社に出ている父が、車から降りて会社のビルに入ろうとしていたところを、あの男につかまった。
父はさっさと警備員に明け渡すことも考えたそうだが、俺とその交際相手について詳しい彼のことが少し気になったため、わざわざ社長室に通して話を聞いたそう。
「もう、生活だけでなく精神状態もぎりぎりなんだろうな。言っていることがかなり支離滅裂で、私にこうして録音されていることにも気付かず、名誉棄損・脅迫・恐喝になりえる発言をたくさん残していったよ」
父があきれ果てたように言う。電話をかけてきたのはこの件を俺に伝えるためだったのだ。
車の中で隣にいた美冬さんも電話の内容については気にしていたようだが、自分の元交際相手が、勤め先の会社の社長である俺の父親に不法行為を働いたと知ったら、彼女は自分を責めてしまうだろう。
そう思ったから、とりあえず彼女にはまだこの件を伝えていない。