偽装婚約者は愛したがりの年下御曹司
そう言って、俺の前髪を優しくかき上げた美冬さん。彼女は軽く背中を浮かせると、俺の額にチュッと口付けた。
唐突な告白も、おでこへの優しいキスも、俺の心を乱すには十分すぎる破壊力で、思わずため息がこぼれてしまう。
「ずるいです、美冬さん……どれだけ俺の心を攫ってくんですか」
「それは私だって同じだよ。日頃からどれだけあなたにドキドキさせられてきたか」
「じゃあ、おあいこってことで……そろそろ限界なので、いいですか?」
まだまだ甘い会話を楽しんでいたい気持ちもあったが、焦らされすぎた体が彼女を欲しがっている。美冬さんの膝に手を添えてゆっくり脚を開かせ、許可を求めるように彼女を見つめる。
「うん、来て。一生モノの恋……信じさせて。もっと」
「はい。望むところです……っ」
熱く昂った自身を彼女の中に埋め、ようやく最愛の人と繋がり合う。その心地よさは極上で、身も心も、この上ない充足感で満たされる。
「美冬さん、美冬さん……っ」
「れーやく……んっ、あぁっつ」
長かった片想いが身を結び、美冬さんと思い切り抱き合うことができたその夜。
俺は自分の中にある想いをすべて彼女にぶつけるような気持ちで、体でも言葉でも愛を伝えることを惜しまなかった。