御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
名案だと言わんばかりに目を輝かせる副社長。私にはまったくついていけなくて、混乱しながら目を瞬かせるしかできない。
「というわけで、ふたりきりの時は名前で呼び合うことにします。もちろん、美冬さんも」
「いやあの、そんなに突然言われても……」
「じゃあ練習しましょう。試しに、さっきみたいに黎也って呼んでみてください」
テーブルに頬杖をついて甘えた目をする副社長を見ていたら、なんだか本当に可愛い年下の婚約者ができてしまった錯覚に陥る。
私、さっき副社長と深い関係になるつもりはないと結構きっぱり宣言したつもりなのにどうしてこんな展開に……?
「みーふゆさん」
……ああもう。なんなのこの油断ならない年下御曹司は。
振り回されて困ってしまう反面、どうにも胸がきゅんと鳴ってしまう。
「あくまで、少しの間……直樹がもう私には構わないってわかったら、関係は解消するってことでいいですよね? バレた時のことは考えたくないので派手な行動はせず、必要な時だけ婚約者として振る舞うって感じで」
「わかりました。それで手を打ちましょう」
「……よかった」
「それで、名前は?」