御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
「あれ? 御門副社長さんじゃないですか。覗きとは感心しませんね~」
「……才賀先生」
余裕たっぷりに微笑む彼に、苛立ちが湧く。彼の人を食ったような態度には慣れたはずだったが、美冬さんの存在が絡むと、俺も冷静ではいられない。
「どうしてうちの芦屋に服を?」
「そりゃ、彼女がかわいいからですよ。スタイルもいいし」
「ふざけないでください……!」
そんな適当な理屈で納得できるわけがない。思わず声を荒らげるも、才賀先生はまったく意に介した様子もなく、クスクス笑っている。
「そんなに怒らないでくださいよ。そろそろ帰れるはずです」
才賀先生はドアに近づくと、二回ほどノックする。
「どう? 終わった?」
「はい。もう入っていただいて大丈夫です」
ドアの向こうから聞こえてきた声を受け、才賀先生が俺の方を振り返った、
「だって。副社長さんもどうぞ」
才賀先生の許可で入室するのは癪に障ったが、中にはまだ美冬さんがいるので仕方なく彼の後ろに続く。
美冬さんはすでに服を身に着けており、バッグとコートも手に持っていた。『そろそろ帰れる』という才賀先生の言葉は嘘ではなかったようだ。
しかし、先ほど俺に下着姿を見られた気まずさがあるのか、少しも目を合わせてくれる様子がない。緊急事態だったとはいえ、いきなり部屋に入った俺にも非がある。
後できちんと謝らなくては……。