御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~

 事もなげに言ってのける彼は、やはり根っからの御曹司なんだなと、今さらのように思う。

 年下だからか親しみやすい部分もあるけれど、将来は御門ホテルを背負って立つ、すごい人。

 私、やっぱり騙されているんじゃ……? 

 普段より非現実的な空間にいる分、余計にそんなことを考えてしまう。

「せっかくですから、なにか乗りましょう。美冬さんは絶叫系か穏やかな乗り物だったらどっちがいいですか?」
「断然穏やか派。癒やしに飢えてるの」

 さすがに間髪を容れずに答えた。なにせ、私の動画アプリの検索予測は、【い】と入れただけで【癒やし】と出るくらいなのだ。絶叫系はお呼びではない。

「じゃ、たまには怖いのに乗りましょう」
「ちょっと! 人の話聞いてた?」
「聞いてましたけど、絶叫系も乗ってみると結構スッキリしますよ? ある意味癒やされるかもです」

 勝手に私の手を取って、黎也くんが園内をズンズン進む。私も決して絶叫系が苦手なわけではないけれど、ついむくれてしまう。

「これだから今どきの若者は……」
「二歳しか違わないのになに年寄りぶってるんですか」

 クスクス笑う彼と共に、途中で三六〇度レールが回転する巨大なコースターを目指す。

 近くで見ると意外に高さもあって、平気だと思っていたはずが、段々恐怖心が湧いてくる。

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