(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
『――なるほどね』


事情を聞いた後、頼子さんは小さく息を吐いた。


『注意したい事柄は色々山のようにあるけれど……まず見知らぬ男性にホテルに連れ込まれたらお金なんか置かず、身の安全を確保してすぐに逃げなきゃダメよ! 無事だったからよかったもののなにかあってからじゃ遅いのよ!』


強い口調で頼子さんが私の行動を注意する。


「すみません……今後飲酒は控えますし、肝に銘じます」


『お酒に関しては、沙和ちゃんなりの事情もあるだろうしなんとも言えないけれど……反省もしているみたいだから、今後は気をつけて、とだけ言っておく。失恋はつらいし、飲みたくなる気持ちもわかるから。でもヤケを起こすべきじゃない』


なんらかの事件やトラブルにあうときがあるのだから、と頼子さんが厳しい声で付け加える。


「はい、ご心配をおかけして申し訳ないです」


至極真っ当な意見に素直に反省する。


『じゃあ注意はここまでね。話は変わるけど、庭園の鍵は私の弟、(しゅう)も持っているの。沙和ちゃんが会ったのは、さっき聞いた容姿の特徴からして恐らく愁だと思う』


驚きの事実に思わず目を見開く。


『まったく三十一歳にもなって、なんて失礼で強引な真似をしているのかしら。初対面の女性をホテルに連れ込むなんて最低だし警察に通報案件よ! 今すぐ説教しなきゃ!』


先ほどまでとは違う怒りの滲む声に慌てて口を開く。
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