(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
それから十日ほどが過ぎた。

昨日から上海に出張している愁さんは、私を不安にさせないためか、多忙な時間を縫って毎日のように連絡をくれる。

辺見さんについては、あれ以来話を聞いていないけれどなにかあったら教えてくれると信じているので、以前のような不安はない。

今日は退勤後、すずとヨガ教室に行く約束をしている。

久しぶりに頼子さんに会えるのが嬉しい。

頼子さんとすずには心配をかけてしまった件を謝罪し、愁さんとの仲を応援してもらった礼を改めて伝えていた。

仕事を終えて親友と合流し駅に向かって歩きだしたとき、背後から声をかけられて振り返る。


「辺見さん?」


思わず名を呼んだ私に、淡いブルーのワンピースに白のノーカラージャケットを身につけた辺見さんが口を開く。


「……お話があるので、お時間をいただけませんか」


強張った表情にほんの少し警戒心が湧き上がる。


「沙和、この方は?」


心配そうに様子を見守っていたすずが口を挟む。


「知り合いの辺見さん。すず、申し訳ないんだけどヨガ教室はひとりで行ってくれる?」


敏いすずはある程度の状況を読み取ったようで、戸惑いながらも渋々了承してくれた。

そして去り際に小声で頼子さんには伝えるから、と口にした。
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