（２０２５改稿版）俺の妻は本当に可愛い～恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています～

まさか、あの男性が頼子さんの弟だったなんて。

でもそれなら頼子さんの名前を問い返さなかったのも、納得だ。

もしや彼も庭園の夜間利用方法を考えていたのだろうか。

疑問を抱えつつ、入浴準備をして洗面所に向かう。

鏡を見れば、慣れない飲酒のせいか顔が少し浮腫んでいる。

悲惨すぎる様相にため息がこぼれた。

こんな私を介抱してくれた愁さんに改めて感謝の気持ちがこみ上げる。

逃げるように帰ってきてしまい、申し訳なさが募った。

愁さんへのお詫びと礼を書いて、頼子さんに渡してもらえるよう頼もうと決める。

化粧を落とすため鏡をもう一度覗き込んだとき、耳朶につけていた薄紅色の花の形をしたピアスがなくなっているのに気づいた。


「どこかで落とした……？」


つぶやくも、正解がわからない。

まずはシャワーを浴びて、後で脱いだ服を確認しようと考え、浴室の扉を開けた。