(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「――愁さん?」


柔らかい声で名前を呼ばれて、大切な婚約者に視線を向ける。

沙和の後ろには、俺たちが出会ったベンチが見えた。

祖父がよく話してくれていた女性が沙和だとあの夜はすぐ気がつかなかった。


「どうかしたの? もしかして疲れた?」


たくさん準備してくれていたからと眉尻を下げて心配する沙和の細い指をとって指先に口づける。

途端に頬を染める沙和は本当に可愛らしい。

少し離れたカフェからは今もまだキッズカフェのプレオープンパーティーを楽しむ声が響いている。

俺と沙和は出会いの場を久々に堪能するためふたりきりで抜け出していた。


「大丈夫、出会った日を少し思い出していただけ」


「……あのときは本当にお世話になりました」


照れたようにはにかむ姿に愛しさがこみ上げる。

出会ったあの日から俺は沙和と会話を重ね、色々な姿を見て、ますます惹かれていった。

俺の言葉足らずと配慮不足から多くの誤解やすれ違いがあったけれど、今、沙和は俺の婚約者としてそばにいてくれている。

沙和が真っすぐ俺を見つめ、微笑みかけてくれるたび、俺の心は愛しさと幸せに満たされる。

恋愛に興味もなく、恋なんてあやふやな感情を信じてもいなかった俺を沙和が変えた。

俺自身は幼い頃から植物以上に興味を引かれるものはなく、心から愛しく、欲する存在に出会うなんて考えもしなかった。

きっとこのまま淡々と人生を歩んでいくのだと思っていた。


いつか、話せるだろうか。

あの日、この庭園で俺は最初で最後のひと目惚れをしたと。

そして、君に贈る愛している以上の言葉を今後の人生で見つけたいのだと。


                             END

最後までお読みいただき、ありがとうございました❀❀
新たに書き加えました愁視点を楽しんでいただけましたら幸いです。
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