(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
彼の強い視線にもろく崩れ落ちそうになる足に力を入れて踏ん張る。


「お疑いでしたら、頼子さんに確認してください」


「もちろんした。ついでに失恋話が嘘ではないか、津田が事実確認をしてきたところだ」


淡々とした物言いに頬を叩かれたような衝撃を受けた。

もはや怒ればいいのか悲しむべきか自分の感情がわからない。

その一方で、津田さんが遅れて応接室にやってきた理由を冷静に理解した。

どうやって確認したのだろうと、的外れな考えすら浮かぶ。

さらになぜそこまでされるのかと思う。


「つまりは私に苦情を申し入れに来られたんですね……?」


絞り出した声は自分でも驚くほど掠れ、胸がなにかに圧迫されているように苦しい。


「罠にかかりにきたんだよ」


意味が、わからない。

わざわざ騙されにきたと言いたいのか、騙される振りをしてなにかを確認したいのか、意図がつかめない。

そもそもなんで私が彼を騙す必要が?

板谷ほどの大企業の社長なら警戒する気持ちもわかる。

どんな手を使っても縁続きになりたい人間もいるだろう。

でも私は違う。

勝手な裏付けまでとっているくせに、どうしてこんな言い方をされなければいけないのか。

心の奥底がヒリヒリ痛んでいるが気づかないフリをして口を開く。
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