(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「まったくもう、いつの間に……接触禁止を言い渡しておいたのに」


「板谷社長にご迷惑をおかけするつもりはありません。役職も知らなかったですし、ホテルの件はもちろん口外しません」


早口で告げる私に頼子さんが怪訝そうに問い返す。


「沙和ちゃん、ちょっと待って。なんの話?」


「板谷社長と私の一件が変な噂になるのを心配されているんですよね?」


「違う違う。愁の評判なんてまったく心配していない。五年前に十分騒がれたんだし、もういい大人なんだから。私が心配しているのは沙和ちゃんよ」


まさかの答えに驚く。


「愁は女性が苦手というわけではないんだけど……縁談申し込みも多いうえ、行動や発言ひとつでなにかと誤解されることも多いし普段から積極的に女性と関わらないの。自ら動いたりももちろんしない。そんな愁が会社訪問をしたのなら、理由はひとつよ」


「なんですか?」


「そのうちわかるはず、だからピアスの件は申し訳ないけど力になれない。でもふたりの関わりを反対しているわけじゃないから安心してね。なにかあったらすぐに言ってちょうだい」


真剣な口調の頼子さんに、どう返答してよいかわからず曖昧にうなずく。
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