(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「ピアスを持ってきた」
近い距離のまま、彼が告げてポケットから小さな箱を取り出す。
長い指で彼が箱を開ける。
そこには失くしたはずのピアスがふたつ綺麗におさまっていた。
「ありがとうございます……! 大事なものなのでとても嬉しいです」
箱ごと渡され、嬉しさで頬が緩む。
「失恋相手にもらったから?」
急に雰囲気が変わった板谷社長が先ほどとは違う、少し険しい表情で尋ねる。
「いいえ? ピアスは美術館館長の城崎さんに誕生日プレゼントに昨年いただきました。何度もご辞退したんですが、日頃の手伝いの礼だと……」
不機嫌の理由がわからないまま、事情を包み隠さず説明する。
「そうか、館長が……」
独り言のように言って片手で口元を覆う彼の耳が、心なしか赤い。
初めて見る少し無防備な姿に驚く私に、彼が小声で尋ねる。
「ピアス、つけないの?」
長い人差し指がなにもつけていない私の右耳に僅かに触れる。
「後で、自分で鏡を見てつけます」
速まる鼓動に気づかれないように早口で返答する。
「貸して、俺がつける」
そう言って、大きな手を差し出す。
唐突すぎる発言と理解できない行動にうろたえる。
近い距離のまま、彼が告げてポケットから小さな箱を取り出す。
長い指で彼が箱を開ける。
そこには失くしたはずのピアスがふたつ綺麗におさまっていた。
「ありがとうございます……! 大事なものなのでとても嬉しいです」
箱ごと渡され、嬉しさで頬が緩む。
「失恋相手にもらったから?」
急に雰囲気が変わった板谷社長が先ほどとは違う、少し険しい表情で尋ねる。
「いいえ? ピアスは美術館館長の城崎さんに誕生日プレゼントに昨年いただきました。何度もご辞退したんですが、日頃の手伝いの礼だと……」
不機嫌の理由がわからないまま、事情を包み隠さず説明する。
「そうか、館長が……」
独り言のように言って片手で口元を覆う彼の耳が、心なしか赤い。
初めて見る少し無防備な姿に驚く私に、彼が小声で尋ねる。
「ピアス、つけないの?」
長い人差し指がなにもつけていない私の右耳に僅かに触れる。
「後で、自分で鏡を見てつけます」
速まる鼓動に気づかれないように早口で返答する。
「貸して、俺がつける」
そう言って、大きな手を差し出す。
唐突すぎる発言と理解できない行動にうろたえる。