(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「沙和、乗って」


後部座席のドアを開けた愁さんに促される。


「ちょっと待ってください、どこに行くんですか?」


「車の中で説明する」


有無を言わさず押し込まれ、愁さんが右隣に腰をおろす。


「浦部様、ご無沙汰いたしております」


前方から声をかけられ視線を前方に動かす。

運転席には津田さんが座っていた。


「お久しぶりです。あの、どうして」


「社長に呼び出されました。それでは出発いたします」


困惑する私に愁さんは着いたらわかるよ、とだけ口にする。

停車した場所は有名な高級ブランドショップだった。

先に車を降りた愁さんがドアを開けてくれたが、周囲からの視線が突き刺さり、居たたまれない。

そんな視線をものともせずに、彼は私の手を引き店内に足を踏み入れる。

すぐに女性店員がやってきて、奥の個室に、滑らかな動作で案内された。


(つつみ)チーフ、突然申し訳ない」


「いいえ、板谷様、ご来店いただきありがとうございます。準備はできております」


女性店員が朗らかに答える。


「それでは浦部様はこちらに」


戸惑う私に堤チーフが穏やかに声をかける。


「大丈夫、ここは姉貴もよく利用している店だから。楽しんでおいで」


その言葉に背中を押され歩きだす。

なにをどう楽しめというのだろう。

今日はこんな思いがけない出来事ばかりで混乱する。
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