蝶々結び【完結】
結衣は、陽向先生を見ずに小さく呟いた。
「私は、陽向先生のことを……確かに好きになっていると思います。
でも、怖いんです。
このままだったら、また逃げてしまう。
こんな私じゃ、きっと陽向先生に釣り合わないです。」
その瞬間、陽向先生は目を見開き、そして穏やかに笑った。
「逃げてもいいよ。」
結衣は驚いて顔を上げる。
「えっ……?」
陽向先生は川面を見つめながら、柔らかい声で続けた。
「橘さんが、もし過去のことをまだ引きずってて、
心の中で間違った結び方をしているなら……。
緩くなるまで、僕は待ちたいと思うよ。
でもね……」