後悔しない、ひとつのこと
「爽、落ち着いた?」

「ごめん」

廉が泣いていたのに、私が待ってもらっている。

「話、聞かせてくれない?」

廉はしばらく何も言わなかった。ずっと迷っていた。

「もう隠せないよね」

そう言って少しずつ話してくれた。

「この傷は父さんにやられちゃったんだ」

「どうして....」

そう尋ねると、廉は少し笑った。

「昔、そう幼稚園児ぐらいの時。母さんにおもちゃをねだったんだ。でも買ってくれなくて」
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