後悔しない、ひとつのこと
道のりはとても長く感じられた。
富士山に登っているのかと思った。
それぐらい、長く....苦しい道のりだった。
.......なにか話そう。
そうじゃなきゃ、きっと俺は...
「爽のお母さん....ですよね」
「よくわかったね」
そう答えてくれる。
車椅子を動かす手は止めず。
俺の方も振り向かなかった。
きっと、振り向けなかったんだと後になって思った。
「よく....似ていらしたので」
「そう....なのね」
お母さんは天井を見上げる。
そして、つぶやく。
「ここよ。ここで爽が待ってるわ」
あぁ、爽と何を話そうか。
爽はきっと ''なんでいるの?''
そう言って驚くだろうから、''なんでだと思う?''
そう聞くんだ。
そしたら...映画に誘おう。
今度は爽に選んでもらって。
爽の好きな映画を。
そんなことを考えていると、ドアが開いた。
中からお医者さんが開けてくれたのだ。
「来たか。入りなさい」
「お母さんがお先にどうぞ」
お母さんの方を見て、そう言う。
一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐに微笑んでくれた。
「ありがとうね...」
俺は扉を持って、お母さんが部屋に入るまで待った。
現実から逃げていただけだとも思う。
富士山に登っているのかと思った。
それぐらい、長く....苦しい道のりだった。
.......なにか話そう。
そうじゃなきゃ、きっと俺は...
「爽のお母さん....ですよね」
「よくわかったね」
そう答えてくれる。
車椅子を動かす手は止めず。
俺の方も振り向かなかった。
きっと、振り向けなかったんだと後になって思った。
「よく....似ていらしたので」
「そう....なのね」
お母さんは天井を見上げる。
そして、つぶやく。
「ここよ。ここで爽が待ってるわ」
あぁ、爽と何を話そうか。
爽はきっと ''なんでいるの?''
そう言って驚くだろうから、''なんでだと思う?''
そう聞くんだ。
そしたら...映画に誘おう。
今度は爽に選んでもらって。
爽の好きな映画を。
そんなことを考えていると、ドアが開いた。
中からお医者さんが開けてくれたのだ。
「来たか。入りなさい」
「お母さんがお先にどうぞ」
お母さんの方を見て、そう言う。
一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐに微笑んでくれた。
「ありがとうね...」
俺は扉を持って、お母さんが部屋に入るまで待った。
現実から逃げていただけだとも思う。